手 ま り            

                                                     


解説役のルナです。
 ここに並べた手まりはごく平凡なまりで、斬新な模様とか、精巧複雑な珍しいものはありません。もともとは作者が基本技法を習得するために作ったものがほとんどですから、初期の、作り方も未熟なものが沢山あります。色糸の種類も少なく、それが古びて色が褪せているものまであります。
 ただ最近は、手まりの芯に発泡スチロール製の既成市販のものを使うことがほとんどですが、作者は、籾殻を袋に入れて巻き上げた芯を使う、古風な伝統技法を頑固に守っております。芯を買うお金がもったいないというケチな根性もありますが、大きさが自由に決められるのと、手にした感覚の違いによります。
 それと、手まり作りでは圧倒的に数の少ない男性の作と言うのが珍というぐらいが見所でしょうか。 

                    


、基本カガリの 「線カガリ」 − 糸1、2本をそのままの線として、模様をつくるのに用いる。

 千鳥カガリ
   糸をジグザグにかける。
 麻の葉カガリ
   千鳥カガリの発展。
 松葉カガリ
   糸を扇状に並べる。



、基本カガリの◆「面カガリ」 − 糸を何本も並べて曲面として模様を作る

 笹の葉カガリ
 以前には「つむ(紡錘)形カガリ」といったが、つむ形の意味が通じなくなった現在では笹の葉カガリというのが普通。
 枡形カガリ
 タイル状の全面を埋めるが、その形状により、三角、菱形、五角、六角などとなり、さらに星型などにもなる。
 三羽根亀甲カガリ
 六角形から三方に角(つの)が突き出すカガリ。
 写真の緑色の模様部分がそれ。
 上掛け千鳥カガリ
 手まりといえばこの形をイメージする、重要かつ基本のもの。この技法ひとつから様々な模様にに展開してゆく。
 下掛け千鳥カガリ
 中心が上掛けと異なる。
 巻きカガリ
 針でかがるのではなく、最初と最後以外は直に巻きつける。
 腹帯の多くはこれである。



 組み合わせによる二次的技法 − 基本カガリは、いろいろに複合させた形で用いられるのが普通である。

 重ねカガリ
 複数のカガリをずらすなどして重ねる。この場合は、上掛け千鳥で、赤の上へ黄色を重ねる。
 捻りカガリ
 重ねる際に、一部前の模様の下をくぐらせる。どちらが先でもよい。
 交差カガリ
 複数のものを、同時にかがるのだが交互または順に1本ずつかがる。多くのかがりはこれを用いる。写真は笹の葉カガリ3個の交差。
 上下同時カガリ
 横に模様を作る場合(上)と、効率的に上下を一度にやるための場合とがある。後者は糸が脇で重なる。
 連続カガリ
 まり全体を回るように糸を掛けて模様をつくつてゆく。
 
 その他
 我家の家紋「丸に隅立四つ目」
四つ目は枡カガリだが、周囲の丸は金糸をボンドで接着。

                  

配色の変化
 同一の技法でも、糸の配色を変えるだけで、かなり違ったようになる。
 下の5個は、三角と枡かがりの交差によるまったくの同一技法によったもの。


下の10個も、上掛け千鳥の交差カガリという同一の技法ながら、配色の違いはもちろん
同じ色でも糸の本数の差とか、花びらの数の違いからも変わった印象になる。
特に下右端は、四つの上掛け千鳥を順次交差させたもので、より複雑豪華になる。

               
                  

 手まりアラカルト

 

  小さなまりと大きなまり                    別人 ( 工房主の姉 ) の作 2点