連鶴 :『一枚の紙で折る千羽鶴』

 「長寿祝い鶴」のように一定多数を連続させる連鶴は、数値の大きさのみを目的にすることになってしまい、それはギネス的興味中心の際限の無い行為となるでしょうから、終止符を打つ意味として1000羽連続に挑戦しました。
 千羽の連鶴を作る場合、ただ一列に並べたり輪にしただけではあまり面白くはありませんし、出来上がりも纏まりません。1羽5センチとしても50メートルになります。一般には20×50または25×40の枡にして、4点接続の「青海波」か2点接続の「七宝つなぎ」の形にするところでそれなら設計図は不要ですが、出来上がりは特に新しいものではありません。そこでこれまでの「祝い鶴」を参考に、その集大成として、新しく図面を作ることから始めました。

1、展開図作成に当っての条件
   * 1000羽を長方形または正方形に、切り落としや重ね折りによる数合わせをせずに収める。
   * 大きな広がりにならないようにする。
   * 均整のとれた纏まりのある形にする。
   * 4点接続を少なくし、容易に折れるものにする。
   * 大きさの異なる鶴のサイズの数をあまり多くしない。
  その結果、米寿88連続と上寿100連続を応用した下の展開図となりました。

32×32=1024枡

大鶴    8羽(32枡)
小鶴 992羽
計  1000羽

中心と四隅の大鶴を繋ぐ赤色の小鶴を軸にした同心正方形 ?

 大鶴は3点接続
軸の小鶴は4点接続
他の小鶴は2点接続

外周は2列で一繋ぎなので波型にすることで、同心円になれば向日葵の花、あるいは花丸の形になるはずである。

因みに300羽連続も18×18の同パターンである。
この千羽展開図では接点を示していないが、別ページの100羽や111羽展開図の方から理解できると思う。赤色大は3点接続、赤色小は4点接続、他は2点接続である。







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2、 用紙について
  連鶴はあまり小さくては折り難く、1羽5センチ大のサイズとしてもこの場合160センチ四方の大きさが必要で既成市販では適当な大きさの和紙は入手困難ですから、どうしても貼り合わせなくてはなりません。その結果、「栖鳳紙」という日本画に使用する和紙を2枚貼り合わせました。そして出来上がりを小さくするため、1羽4センチといたしました。
 ただこの紙は丈夫ではあってもやや柔らかで薄く、あまり適当なものとはいえませんでしたが、専門店で選ぶ状況になかったのでやむをえずこの紙を使用しました。折りあがってみると軸になる小鶴に力がかかり、前後に引っ張られて、この部分が縦に長い十字形になりやすいのが難点です。

3、 先行作品
  連鶴のサイトは沢山ありますが、100羽連続以上の作品は少なく、まして1000羽以上ともなると知る限りでは次の2例だけですが、どちらもアマチュアの単独個人作品ではありません。
   。横娃娃葦連続
     「紙館・島勇」という和紙専門店が、紀元2000年の企画で製作したもので、折り紙作家、和紙人形作家のプロ2名による共同作品です。用紙は144×720センチ大の染色した特別製の和紙のようで、「青海波」の拡張したものですから1羽7センチ角のすべて同大で、労作ではありますが展開図も不要でありデザインとしては目新しいものではありません。
  ◆。隠娃横輝連続 
    越前和紙の産地福井市の「いまだて芸術館」にあり、平成6年あるイベント( 詳細は不明ながら24時間テレビ ?)においてプロの折り紙作家の指導の下に多数の手で作られたようで、用紙は「大鵬紙」という550×550センチの巨大な特製和紙ですから、製作にはかなり大きな場所を必要としたでしょう。下の写真は、問い合わせをした際に送ってもらったものです。

 ご覧のように、また1025羽という半端な数からみても、これは数よりも出来上がりの図柄(お下げ髪の少女?)が目的の作品で、大中小数種のサイズを組み合わせたかなり複雑な展開図が必要で、この図面作成だけでも大変だったのではないでしょうか。写真からだけの計算推定だと、鶴は最大50センチから最小10センチほどで、重ね折りや切り落としもあるでしょう。1点接続で終わるところが何箇所かあるので、何人かに分かれてここから同時に作り始めたものでしょうか。

 因みに、福井にはもう一つ「パピルス館」というのがあって、ここには529羽のものが写真だけ展示されているということです。

  以上の二つは、用紙だけ見ても一般の人が単独で同じことをやれるわけではありませんから、私のものと比較は出来ないと思いますし、出来不出来はともかく拙作の場合、1000と言う数と自分なりの出来上がりにすべく展開図を作成するという二つにねらいをもち、用紙も誰でもが入手可能と言う点である程度の意義を認めていただけるのではないでしょうか。
 ついでながら、アマチュア個人の単独作品として公開されているものでは288羽のものがあります。

3、製作過程 ( 2006/9/25 〜 10/20 * 作図から写真撮影まで )

線引き終了。用紙128×128センチ。
用紙の白線は貼り合わせ部分。座卓には載せきれないで、垂れている。
千羽の鶴も一羽より。0.1% 終了
全部切り込みを入れず、20羽ほどずつ裁断して、ある程度、下折りしておく。
20羽ほど折ったところ。
4センチはけっこう小さいので、ピンセットを使用している。
第2日目
外周の一辺56羽が終わり、次の辺に入ったところ。
10日目。
約3分の1が折り上がる。下ごしらえをしておいて10分間に3羽程度。
13日目。
半分の500羽終了。
前の画像と差が無いようだが。
18日目。
4分の3の750羽終了。
外堀がだいぶ埋まった。
21日目。
950羽終了。ここからは軸になる小鶴で4点接続の折りにくいところ。
23日目。
99.9%終了。
最後の1羽
 「完成」と書きましが、本当は完全に終わってはいません。写真では判りませんが実は最後の首を下に折り曲げる作業がすべてやってないのです。首を折る作業だけでも1000羽ともなれば時間もかかるしうんざりしますがこうする理由は、沢山の鶴が繋がる場合には、首の折り曲げた部分が、ちょうど釣り針の先にある「かえし」と同じ様に作用し、はずれにくく絡み合ってしまい、それでなくても切れやすい連鶴では収拾がつかなくなってしまうのです。そのためにこれまでの「祝い鶴」の場合も、こうした煩わしい作り方をしてきました。
 
1000羽目を折る。
古人曰く「千羽を折らんとする者は999羽を以ってその半ばとせよ」と。
ついに完成!! 。
ところで前の写真にみるごとく千羽がからまった塊を、広げるのが一苦労。

 大きなボードにでもピンで留めれば花丸になるはずですが、置き場が無いのでシートの上に適当に並べただけです。この形で縦横120センチほどになります。
 実際に1000羽あるか数えてはいませんので、お疑いの方はお確かめください。一番外側だけで228羽2周目は108羽、合わせて3分の1近くあります。
18×18枡の用紙で、300羽は同じ形として作れます。


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