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文字主体の豆本と画像主体の豆本

 文字から画像へ
  豆本を作り始めたきっかけが「ワード」の勉強ということなので、しばらくは文章中心の文芸作品がほとんどで、画像はごくまれに挿絵またはカットとして入れる程度でしたが、宮田雅之の切り絵作品集を作ってみた所、予想以上の出来上がり効果があり、知人の評判も上々でした。そこで挑戦したのが北斎「富嶽三十六景」・広重「東海道五拾三次」で、それから「木曽海道六十九次」を手掛けて以後、専ら江戸・明治の錦絵の作品を作っており、最近はさらに西欧絵画にまで手をのばしてます。
 画像を専門に編集するソフトもあるのでしょうが、豆本にするためのレイアウトを新たに考える手数を省いて、ワードで作ってある文章主体の豆本枠をそのまま応用しております。したがって基本的には文章主体と画像主体で大差は無いのですが、何冊かを作って気づいた事柄について両者との比較をもとに纏めたレポートです。
 
   ※ 別ページ『横長画像の豆本』に編集印刷の具体例を出してありますので合わせてご覧ください

               

 編集に関して
  〃曽 
 文章主体の本は、横書き・縦書きとも、通常は用紙の規格による縦長サイズであるが、文の区切り方で縦長・横長のどちらにでも変えることが出来る。
 しかし絵画や写真などは正方形をはさんで縦長・横長が様々あり、絵掛け軸や絵巻物のように極端なものまであるが、縦横の比率は変更できないから作品によって縦長・横長の本と決まってしまう。そして形が縦横両方ある作品集の場合には縦横どちらかにきめて、A 他方を90度回転させるか、 おなじ向きのままで他方の縮尺を小さくすることになる。あるいは、C 妥協的に形を正方形にする手もあるが、この場合は短辺に合わせるのだから切り落とす部分が多く無駄が出る上、縮尺も小さくなってしまう。結局Aを採用するケースが多く、それも縦長にすることが多いのではなかろうか。本棚に立てて並べると手前に出っ張りそれを避ければ背文字が見えないなどの扱いの問題のほかに、造本上の問題もあるのではないか。

 ◆‖腓さ (ここではいちおう文庫本A6版より小さいものを豆本と考える)
 別な所でも述べたように、豆本なのだから小さいほどいいというわけではない。というより、「豆本」には二通りあって、一つは内容はともかく形状とかサイズを主眼に、その奇抜さや小ささを競うもの、他はあくまでも内容を重視し「普通の視力の持ち主がルーペなどの補助器具を用いなくても、内容の判るもの」でかつ「書物の本来の特質を失わない範囲での小さな本」という考えである。
 最近ブームの豆本は前者が主流のようであるが、筆者は大小作ってみて結局後者の方が作り甲斐があり飽きもこないというのが到達した結論である。極端な話、どんなに小さくとも1ページに1文字しか印刷されてないようなものは「豆本」かもしれないがもはや読む「本」とは言えないのではないか。
 文芸作品は一文字ずつたどって全体を構築していくデジタル的なもので、文字の大小により意味内容に変化があるとは考えにくい。それに対し絵画のような画像は始めから具体的で大きさをもっており、全体をアナログ的にひとまとめの形状でとらえて観賞するもので、その大小は作品の重量感や迫真性に拘わってくる。ということは、文字主体の豆本は前述の考えの範囲内で小さなものでもかまわないが、画像主体のものでは豆本といえどもより大きなサイズの方がよいということになろう。
 私の場合、A4・B5を基本用紙とした両面16ページ印刷であるから、当初からA4用紙を八つ折にしたA7版を化粧裁ちをすればA8版が最大の大きさと単純に思い込んで作ってきたが、これは用紙の半分を切り捨てることと同じ訳だから、考えてみればもったいない話である。 
 結局これまでの編集印刷の基本はほとんど崩さずに、紙面を大きくする方法として考え付いたのが、A4用紙を八つ折り(105×74ミリ)して化粧裁ち部分を小さくすることでB8版(90×64ミリ)にするということであった。

  レイアウト
 画像サイズと版を大きくすることに対し、縦長本の場合は周囲の余白を少なくすることで簡単に対応出来る。
 横長本は当然割付の方法は変えざるを得ないが、これも容易である。結果として下掲右写真のようになる。
 ただし、私の場合錦絵を主とするため、タイトルや解説文など縦書きにする関係でどちらも縦書き設定であるから、横長本の場合は四段組み設定であり、折ったままで綴じるやり方なのでどちらも2段目(と4段目)は上下が逆になっている。

供^刷に関して
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挿絵やカット程度なら普通紙・普通印刷でもよいと思うが、多色画像主体のものではやはり「ファイン」の印刷にしたい。普通用紙に印刷するにしても少なくとも両面印刷用にすべきである。(文字主体のものでも裏写りの問題で両面用がいいのはもちろんだが、文字主体の場合は片面用紙でも裏表の文字の行を合わせるように印刷することで、見苦しさ・見づらさは軽減出来る) 画像主体のものではスーパーファイン紙、それも両面用を使うことになるが、片面のものはどの店に置いてあっても両面のものは入手しにくい。取り寄せになる場合もあるが、ELECOMの両面スーパーファイン用紙標準(厚さ0.13ミリ)、KOKUYOの両面印刷用紙KJ-M26A4(0.15ミリ)、またはサンワサプライの両面つやなしマット用紙薄手(0.16ミリ)、を使用している。
 いずれも普通紙とくらべて価格が何倍もするので、経済的にはコクヨがお勧めである。発色も見た目にはほとんど変わらないが、モノクロ画像の場合、エレコムは蒼みがかった黒、コクヨは茶色がかった黒になる。豆本用紙とてしては厚さでエレコムがよいのだが、エプソンカラリオで大量に印刷した場合、微粒の粉末が印刷機のローラーに付着するらしく、紙送りが空回りする。
 
◆〇飜
  
木目と同じく紙にも繊維の流れがあって、小口・背に平行な目にするというのが原則のようである。当然豆本も同じで、素人が趣味として作るものまでその点をやかましく指摘する専門家もいる。そうなると通常既成市販の用紙を使う以上、大きさなどに制約が出てくる。上掲写真の例だと左側縦長のものは目が横に流れているから駄目というわけでこの大きさでは作れない。いや作れないわけではないがこのままではなく、縦目になるように裁断し直し、かつ原版も新たにつくらねばならない。さもなくば、専門店にて用紙を特注するしかないからかなり多量に購入せざるをえずまた高価なものになる。そして普通紙ならそれも出来るが、両面スーパーファイン紙ではまず無理だろう。
 プロが商品とするものならともかく、素人が趣味で作る豆本にそこまでやる必要があろうかとも思うし、これまで作ったもので特に不都合があったとも思えない。逆目を嫌うのは、背の部分の折りとページに起る反りの問題ゆえかと思うが、同じカーブの反りでも普通サイズの時には気になっても小さくなるほど目立たなくなるはずである。
 ただし、厚めな見返紙や表紙のボール紙は逆目を避けるべきかとは思う。
 なお横長の本については、芯ボールは縦目でなくても良いという参考書もあった。

 
 インク
 
豆本は普通材料費は僅少であり、特に少量の印刷や文字主体の豆本ではそれほど問題にならないインクの減りが、画像主体の印刷では当然多くなって、インクにかかる費用が馬鹿にならない。
 営業政策といってしまえばそれまでだが とにかくあちこちでインクの価格に対する不満を耳にする。カラリオの場合、6色1セットが6000円以上する。僅か3、4セットのインク価格で複雑な機能をもった本体が買えてしまうというのは、やはりおかしいのではないか。

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 ネット上の豆本の作り方の多くは、印刷後に裏表4ページ分に小さく切り分け二つ折りし4枚重ねて一つの丁にするか、始めから4ページ分に小さく切った紙に印刷して折る作り方であるから「折り」が問題となることはまず無い。
しかし、16ページ分を切らずに八つ折にして丁に仕立てる場合には、紙が厚くなるほど折目の一番重なる背の地の部分に皺が出てしまう。これをなるべく避けようとするとその部分を直角に折ることが困難になる。従って画像主体の本では、スーパーファイン紙のような厚手の紙を用いる以上「折る前に裁断する」方がよいということになる。
 ◆ 崢屬検
 綴じについては、画像、文字のどちらも同じかと思うが、一丁が4枚にに切り離されているものよりも、ただ折っただけの丁の方がもちろん扱いやすい。
  化粧裁ち
  切り離した後に4枚を重ねて綴じるやり方にしても、当然内側の紙ほど手前に出っ張るから綴じた後での化粧裁ちは少なくとも小口だけでもやる必要があろうが、裁断そのものには、画像と文字に違いがあるわけではない。
 ただし、定規とカッターナイフを使って紙を裁断する化粧裁ちは、専門家も言うように簡単なことではない。10×8センチ大程の紙が数十枚重なった紙を垂直に裁断してその切り口をスッパリ滑らかにしなければならないからである。  薄い豆本を僅かに作るならなんとかなるが、私の豆本は上記の厚さがほとんどで、プロではないが多数作るので、下のような裁断具を自作した。
 左写真は、下から、台板・マット・豆本・定規板で上の白いものは、参考までに置いた木製定規の側面を保護・補強するプラスチックの残りものである。この定規は作品を挟んで台板にネジで固定出来るようになっていている。なお、この定規の幅は64ミリで反対側も同様補強してあるので両側とも使えるから、特にB8横長版には一回の固定で天地の化粧裁ちが出来る。
 これでかなり化粧裁ちが楽になった。  

  ※ 「折り」の問題については,侶誅世脇世討い討癲⊆分としてはこれまですべて「先折り後裁ち」でやってき    たことと、 △箸里らみでなかなか切り替えがつかないで旧態依然のままなのだが、皺寄せなどの問題は     以下のように対処することである程度緩和することができる。
     
 左写真は、上右写真のものをそれぞれ四つ折りにしたもので、縦型は左側と下側が、横型は上と下側が折り目である。
 特に下側は折り目が二重になっているので、これを縦に二つ折りすることで皺や歪みが起るわけであるから、写真のようにナイフを入れることで折り目を無くせばよい。
 ただし、ページ順など丁としての纏まり繋がりは残すように全部は切り離さないで1センチ程度は残しておく。
 これで折り目に出来る皺や、ページの歪みはほとんどおこらないが、このあと4枚を重ねて二つ折りにするわけだから、外側の紙ほど中心からのずれが生ずる。
 しかしこのずれによる見苦しさの不都合は、これまでにほとんど起きていない。

 以上くだくだしく述べてはきたことは、ほとんどの方々には今さら何をの当たり前のことだと思いますが、もし何かヒントにでもなればと思っています。

   別ページ『横長画像の豆本』に編集印刷の具体例を出してありますので合わせてご覧ください
              


◎ 画像主体の豆本 [我褸芥美術文庫] リスト 

   ※ 個々の作品内容については『豆本三昧我褸芥ノート』をご覧ください。

  機ゞ啌─ι眄こ┷酩
     
美人絵                       歌麿 役者絵                     写楽
富嶽三十六景                  北斎 和綴じ 富嶽三十六景
東海道五拾三次                 広重 和綴じ 東海道五拾三次
保永堂版東海道・狂歌入東海道       広重 行書東海道・隷書東海道         広重
人物東海道・竪絵東海道           広重 美人東海道               広重・英泉
蔦屋版東海道・有田屋版東海道       広重 五十三次名所図会(竪絵東海道)・諸国名所百景
双筆五十三駅・東海道五十三対   広重・豊国・国芳 木曽街道六拾九次           英泉・広重
木曽六十九駅                  豊国 木曽街道六十九駅             国芳
東海道五十三駅景色入り美人絵       国貞 和綴じ 五十三駅景色入美人絵
東海道名所風景(御上洛東海道)上下   絵師15人 役者見立東海道五十三駅         豊国
末広五十三次・書画五十三駅   国貞・芳年・芳虎 東海道五十三駅・東京名所三十六花撰  立祥
絵都錦今様国尽・山海愛度図会       国芳 大日本六十余州名勝図会         広重
名所江戸百景                  広重 江戸名所四八景・江戸名所道化尽 広重・広景
江戸名所百人美女               豊国 江戸自慢三十六興・江戸高名会席  広重・豊国
作品集 大江戸名勝風景 上中下     広重 他 作品集 大江戸名勝景色          広重
作品集 諸国名勝巡り 上下         広重 他 仮名手本忠臣蔵          広重・北斎・英泉
百人一首絵抄                  豊国 小倉擬百人一首          広重・豊国・国芳
源氏香の図                    豊国 源氏物語絵                  月耕
源氏後集余情                  豊国 古今名婦伝・賢女烈婦伝       豊国・国芳
見立吉原五十三駅(傾城道中双六)     英泉 名妓三十六佳撰               豊国
清書七いろは・教訓いろはたとへ      豊国 月の百姿                    芳年
風俗美人絵集                  芳年 和漢百物語・新形三十六怪撰       芳年
時代かがみ・真美人              周延 歌舞伎絵本
梅幸百種之内                  国周 団十郎演芸百番               国周
床の置物                     師宣 其姿紫の写絵                 豐国
朝雲暮雨                     千代田の御表・大奥             周延
花鳥画譜                    楳嶺 江戸の花 纏尽し               芳虎
江戸乃華名勝会              豐国ほか 源氏物語五十四帖             豊国 
俤源氏五十四帖              国貞・広重 紫式部源氏かるた             国貞
源氏雲浮世画合              国芳 現時五十四情                国周 
画本江戸土産                 広重 東海道五十三驛            北斎・重信
東海道五十三次               北斎 東海道五十三次            長谷川貞信
河鍋暁斎作品集 暁斎百図
懐宝一覧花都路             斎藤英笑 百人一首うばが絵説き          北斎
東京名所図・武蔵百景          小林清親 百人一首之内              国芳 
東海道五拾三次 簡易版         広重 富嶽三十六景  簡易版         北斎 
子供絵姿   北斎・広重の三十六景
大江戸賞景 巻一             広重   大江戸賞景 巻二             広重
大江戸賞景 巻三             広重   大江戸賞景 巻四             広重
富士三十六景 富士見百図        広重   隅田川両岸一覧 他            北斎
大江戸勝景                 北斎   北斎漫画 巻一
北斎漫画 巻二 北斎漫画 巻三
北斎漫画 巻四 北斎漫画 巻五
通俗水滸伝豪傑百八人之一個      国芳  様々「水滸伝」・三国志          国芳
東京真画名所図説          井上安治 猩々狂斎画帖            河鍋暁斎
絵本 鷹かがみ            河鍋暁斎 子供絵姿 増補版
諸国六十八景             二代目広重


 
供ヽ┫物 (折り本仕立て)
    
鳥獣戯画                   鳥羽僧正    百鬼夜行図                  ?     
北楼及演劇図巻               菱川師宣 四季山水図                雪舟 
熈代照覧                   山東京伝    化物尽絵巻                  
化物婚礼絵巻                       放屁合戦絵巻              河鍋暁斎
盲人百態図巻                河鍋暁斎         桃太郎絵巻                河鍋暁斎
姑蘇繁華図                  徐揚 


 
掘\床こ┣茵
   
IT'S A SMALL WORLD                新約聖書挿絵集        ギュスターブ・ドレ
ブリューゲル作品集 アングル作品集
ラファエロ作品集 ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ作品集
聖母子 88選                続 聖母子 88選
聖母子拾遺100選 フェルメール作品集
W.A.ブグロー作品集                W.ブグロー作品集 
シュティーラー作品集                ミュシャ作品集
ドレ 「ダンテ神曲ー地獄篇」                ドレ 「ダンテ神曲ー煉獄篇・天国篇」
ゴッドワード作品集                ダンテ・ロセツテイ作品集
百匠一び 百家一れん
百師一やく シュティーラー増補改訂版


 
検‘本絵画 その他
   
竹久夢二作品集 セノオ楽譜表紙画         竹久夢二
万葉恋歌               宮田雅之・大岡信 切り絵 竹取物語            宮田雅之
切り絵 源氏物語             宮田雅之     切り絵 奥の細道            宮田雅之
わらべの四季                宮田雅之 わらべの詩                宮田雅之
美しき女達の世界             宮田雅之 宮田雅之作品集 
宮田雅之作品集  宮田雅之作品集 
別版 奇妙な絵の本                奇妙な絵の本 
奇妙な絵の本  奇妙な絵の本 
光と影の世界              藤城清治                棟方志功作品集
小林かいち作品集 高畠華宵作品集
中原淳一作品集 東郷青児作品集
向井潤吉作品集 伊東深水作品集
続高畠華宵作品集 鳥居言人作品集
伊藤若冲作品集 川瀬巴水作品集 富士と東京
川瀬巴水作品集 富士 川瀬巴水作品集 東京
川瀬巴水作品集 横長版 川瀬巴水作品集 日本北部
川瀬巴水作品集 日本中部 川瀬巴水作品集 日本西部
上村松園 横長版 上村松園 縦長版
鏑木清方 横長版 鏑木清方 縦長版
志村立美作品集 岩田専太郎作品集
いわさきちひろ作品集 東山魁夷作品集 
東山魁夷作品集  東山魁夷作品集 
東山魁夷作品集 検―槌
江戸いろはかるた 福寿字典
雪華図説 正続              土井利位 五百羅漢図                狩野一信
モーツアルトの小夜曲(楽譜) ウォルト・ディズニーの郵便切手
新撰三十六歌仙            狩野探幽 自動車発展史 
自動車発展史  自動車発展史 
自動車発展史 絃 自動車発展史 顕
自動車発展史・総集版 縮緬本(英語版) 日本昔話集
金陵十二釵 上 金陵十二釵 下
中国四大美女 上 中国四大美女 下
長恨歌

   ※ 個々の作品内容については『豆本三昧我褸芥ノート』をご覧ください。
 
  
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